はじめに
新NISA開始が間近に迫った2023年12月21日、ふと思い立って東京証券取引所(東証Arrows)を1人で見学した。
この日はもともと、日本橋で別の用事があったのだが、Googleマップを見て東証が徒歩圏内であることに気づき、見学可能時間を確認の上、足を運んでみることにした。
このように、個人でふらっと立ち寄るなら予約も一切不要だ。
それにしても、東京にいて投資ブログを2年もやっているのに、なぜこれまで東証に行ってみようと思わなかったのだろうか。
東京証券取引所(東証Arrows)の所在地
東京メトロの茅場町駅が最寄りとなるが、日本橋からでも歩ける。
日本橋エリアからは目と鼻の先だが、兜町に入った瞬間に多くの証券会社が軒を連ねており、街の雰囲気がガラッと変わる。ずっと東京に住んでいるのにこの界隈に訪れたのは初めてだ。
東証Arrows見学について
費用は無料である。
様々な見学コースが設定されているが、私のように1人で行くなら自由見学がおススメだ。
9:00~16:30(土・日・祝祭日・年末年始を除く)の間に気軽に行ってみよう。
※最終入館時間は16:00
なお、証券取引業務の中枢のため、警備は厳重だ。
入口では空港と同じような金属探知機による検査が行われる。所持品には十分に注意されたい。
みどころ
マーケットセンター
東証Arrowsと言えばここ。1999年4月まで株券取引立合場だった場所である。
現在はニュースでおなじみの電光表示がクルクル回っている。実際にこの場所に立つことができるのだ。
ぜひ、私のように平日の午後に1人で訪れてみてほしい。ほんのかすかにサーバーのファンのような機械音がするだけで、かつての賑わいが嘘のような、恐ろしく静寂な時が流れている。
オープンプラットフォームの巨大スクリーン
そして、そんな静寂な空間の中、無機質に数字が切り替わる巨大なスクリーン。
新NISA開始直前のこの日の日経平均は33,000円台。いま改めて個別の株価を見るとずいぶんと割安だった。まさかこの後、36,000円台まで急騰するとは想像できなかった。
上場の鐘
上場セレモニーで、新規上場会社が打鐘する「上場の鐘」である。
もちろん、実際に鳴らすことはできないが、本物を見るだけでも興味深いのではないか。
東証プラザ 証券史料ホール
証券取引の歴史を、過去の株券等を交えて展示している。
個人的に興味深かったのが、証券取引の電子化を進めたプロセスだ。
取引の電子化が実現すると、多くの関係者が職が失う心配をしてしまうことから、その検討プロセスは秘密裡に行われていた。
これは、会社業務の効率化を進める中でも感じること。
本当の改革をしようと思ったら、関係者全員の意見を聞いていては実現できない。水面下で着実に事を進め、トップのゴーサインが出たら一気に大改革を行う。巻き込まれる人には気の毒だが、長い目で見ればそれが世の流れというものなのだ。
展示資料はきれいにまとまっているが、当時は相当な苦労があったのだろうと推察した。
おわりに
証券取引が高度に電子化された現在では、個人投資家が証券会社や東京証券取引所に赴く必要はまったく無い。自宅のPCやスマホからインターネットを利用して、気軽に株式投資を行うことができる。
そんな便利な時代だからこそ、証券取引業務の中枢である東証を訪れてみてほしい。
かつての立合場はマーケットセンターとして静寂な空間へと変化したけれど、天井のデザインを見れば、そこがかつて賑わっていた立合場であったことが分かる。
※上記画像と下記動画の、1:00あたりの天井の映像を比較するとわかりやすい。
歴史に思いをはせてみよう。
先人の苦労のおかげで、便利な今の時代を生きることができる幸せを感じることができると思う。