突然ですが、株を買うとき、何時に注文を出しますか?
前日の夜にじっくり銘柄選定をして、翌朝イチで成行注文するんじゃない!?
その注文方法、寄り天にハマる可能性が高いですよ。
鶏天って何?美味しいの?
鶏天ではなく寄り天です(笑)
寄り天とは
寄り天とは、その日の株式取引が開始されてから最初についた寄り付きの値段(始値)が一番高値になることである。
文字ではイメージしずらいかもしれないので、典型的な寄り天のチャートを見てみよう。これは2024年1月9日の三菱商事のチャートである。
前日1/5の終値が2,353円だった。
1/9の始値が2,380円(09:00)、この日の最高値は取引開始わずか8分後の2,382円(09:08)、そして終値は2,302円となった。
朝イチで成行注文すると2,380円付近で約定してしまい、単位株ならわずか1日で8,000円ほどの含み損となります…
株式投資は必ずしも朝一番が良いわけではないんだね。
それにしても、なぜ寄り天が発生するの?
寄り天には様々な理由が考えられる。寄付き後、一旦は買われて高値を付けたものの、その後、それ以上の買い材料がなかったり、ネガティブな材料が出たりして売り圧力に屈したと考えるのが一般的だ。その他、利益確定売りが入ったり、指数全体で押し下げられたりといったパターンも考えられる。
一概には判断できないが、約定後にダラダラ下げ続けるので精神的ショックが大きい。
とにかく、9:00~9:30頃までは寄り天に要注意だ。私はこの時間帯は成行注文は控えている。
真面目な人ほど寄り天にハマりやすいのでは
実際私自身、何度か寄り天にハマったことがある。
寄り天にハマるのは株式投資の初心者で、まじめな人が多いと思う。ズバリ数年前の私のことだが。
前日の夜から証券会社にバッチリ入金を済ませて、「明日は朝イチで〇〇社の株を買うぞ~」と意気込んでいる。その意気込みは良いのだが、買い方に慣れていないので、成行で注文してしまう。
「朝イチ+成行注文」この組み合わせが良くない。
午前中ダラダラ寝ていて、午後から起床して注文した人の方が、結果として寄り天にハマりづらい。株式投資の世界では「早起きは三文の徳」とは必ずしも言えないのだ。
寄り天を避けるには
寄り天を避ける方法は大きく2つ。
- 朝イチで注文を入れたい場合、成行ではなく指値注文する。
- どうしても買いたいときで成行注文する場合は、朝イチではなく株価が落ち着いてきたと判断したタイミングで注文を入れる。
指値注文について
株式投資に少し慣れてくると、前日までのチャートから、おおよその指値注文ができるようになる。指値注文なら寄り天の割高な株価で約定することはないから安心だ。
指値注文のデメリットは株を買えないことがあるということ。
でも、それでいいのだ。「どうしてもその日に買おう」とか、変なこだわりを持たないほうが良い。指値が刺さらなかったら、その日は縁がなかったと思えば良い。
ときどき、指値が刺さらないまま、株価が遥か彼方へ上昇していってしまうことがある。これも仕方がない。この場合はターゲットの銘柄を変えればよいのだ。
とにかく焦らないこと。
指値注文は約定しない限り、手数料がかかるわけではない。
売り買いは腹八分という格言
最安値で買って最高値で売りたい。
絶対に損したくない。絶対に儲けたい。しかも早く!そのような焦りが危ない。
株取引の格言として「売り買いは腹八分」という言葉がある。
一言で言うならば「欲張りすぎるな」ということだろうか。
新NISA開始直後で自分自身、どうも浮足立っている気がする。
この格言の意味を再度振り返り、寄り天には気を付けつつ、冷静な取引を行いたいものだ。
寄り天の話から少し脱線してしまった。