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初めての投資では銀行で投資信託を購入し、びっくりするほど大損。FIREなんて大きな目標はない。もう1円も損したくないのだ。

株式会社INPEXの株主総会に出席

2024年3月26日、株式会社INPEX株主総会に出席した。

 

 

 

 

会場はThe Okura Tokyo オークラ プレステージタワー

黒塗りの高級車は経営陣専用車だろうか

会場は東京都港区のThe Okura Tokyo オークラ プレステージタワーである。帝国ホテル、ホテルニューオータニと並ぶ「都内高級ホテル御三家」の一つで、非常に高級感のある会場だ。

株主総会ではこのような超一流の会場に入ることができるのも楽しみの一つであるが、私の株主総会巡りの経験上、今回の会場はこれまでで最も高級感溢れる会場であった。できることなら食事や宿泊でも利用してみたいが・・・値段を調べるのも怖いくらいだ。

theokuratokyo.jp


お土産はない

お土産は一切ない。

唯一の配布物はThe Okura Tokyoのロゴが入ったミネラルウォーターである。高級感あふれるデザインで、なんだか美味しい水のような気がしてきた。

 

 


会場の「平安の間」は豪華絢爛。椅子も座りやすい。

オークラを代表する「平安の間」は豪華絢爛。受付から座席に座るまでのスタッフの案内も非常に丁寧で心地よいものであった。座席は余裕を持った配置になっており、椅子も座りやすい。さすが超一流ホテルである。

 

 


売上高2兆円超、営業利益1兆円超の優良企業

株式会社INPEXは旧社名:国際石油開発帝石株式会社であり、石油・天然ガスの探鉱、開発、生産、販売を行う日本最大のエネルギー開発企業である。

www.inpex.co.jp

 

国としてのエネルギーの安定確保の観点から、日本で唯一「黄金株」(甲種類株式)を発行している株式会社でもある。黄金株とは、買収関連の株主総会決議事項について拒否権を行使できる株式のことである。同社の場合、この黄金株を1株だけ発行して経済産業大臣保有とすることで、敵対的買収が行われないようになっている。

 

株主総会でお馴染みの議案「剰余金の処分の件」についても、同社の場合は普通株式と甲種類株式に分けて表記される。ちなみに今回の議案で決定された内容は以下の通りだ。このような表記は国内では、株式会社INPEXでしか見られない。

 

配当財産の割当に関する事項及びその総額

  • 当社普通株式1株につき 金 37円
  • 当社甲種類株式1株につき 金 14,800円

 

同社の政策は日本のエネルギー政策において非常に重要なものだ。したがって、株主総会の内容もイチ民間企業というより、国家のエネルギー政策を語るような内容も含まれていた。

事業活動は主に海外で行われており、売上高2兆円超、営業利益1兆円超の超優良企業だ。業績好調といこともあり、経営陣にも気持ちの余裕を感じられた。

リスクを取って株式投資をしているけれど、経済産業大臣が大株主ということもあり、なんだか大船に乗ったような安心感がある。不思議な企業だ。

 

 

 

代表的な質疑応答

代表的な質疑応答をメモレベルで記載してみた。特に回答を記載していないものは、経営陣から踏み込んだコメントが無かったものである。

 

・2024年度PBR1倍を目指すならば、どの程度の株価/配当を目指すのか。

 

・取締役会の実効性評価の観点から、多様性という意味で女性の割合を増やすべきでは。

 

・秋のアメリカ大統領選挙で仮に大統領が変わった場合、どのような想定をしているか。

⇒仮に変わった場合、世界的に大きな影響がある。現在米国内で中断しているプロジェクトは共和党に変わることで動き出すかもしれない。ウクライナ情勢・中東情勢・米中対立の動向は間接的に影響してくる。

 

・大学やベンチャー企業といった社会に対しての人材育成に関する取り組みを教えてほしい。

 

・ネットゼロ5分野の取組みを紹介されていたが、実際2030年頃には社会にどのような影響があると考えているか。

www.inpex.co.jp

 

・今後、化石燃料はどうなると考えているか。

⇒引き続きアジアを中心に需要はあり続ける。一方でクリーンエネルギーは実現段階に来た。したがって、経営戦略としては石油・天然ガス事業とネットゼロ事業の二刀流とも言える。

 

・日本の石油備蓄について

⇒一定量の備蓄は必要。備蓄量については国家戦略に関わるため、コメントは控える。

 

・欧州石油メジャーと比較すると企業規模小さいがM&Aによる事業拡大は考えているか。

 

・最近聞かなくなったが、メタンハイドレートについて取り組んでいるか。

⇒採掘試験には参画中。日本のEEZ内での資源開発は安全保障の観点から重要。

 

・日銀のマイナス金利解除で有利子負債の金利が上昇するのでは。株主還元より、有利子負債削減に取り組むべきでは。

⇒事業活動はほぼ海外であり、有利子負債はドル建て。したがって、日本のマイナス金利解除はあまり影響を受けない。むしろ為替は注視する必要あり。

 

石油資源開発株式会社(1662)と何が違うのか。なぜ株価が大きく離れているのか。

 

 

質疑応答の内容は石油備蓄といった国家戦略に踏み込もうとする内容もあり、興味深いものであった。総会全体で荒れることもなく、上品なイメージ。

経営陣の回答テンポが良く、できる限り多くの質問に応えようという意気込みが感じられた。午前10時開始から約2時間経過した12時ごろに決議をとって散会となった。

 

 

 

まとめ

株式会社INPEXは、昨年6月に株主となってから今回初めて株主総会に出席した。

 

日本で唯一、黄金株を発行する会社で、国策企業の側面も併せ持つ会社であることは分かっていたが、改めて株主総会に出席してみることで、日本のエネルギー政策を語る上で無くてはならない会社であることが良く理解できた。

また、財務状況も優良で手堅く、安心して株式を長期保有できる企業だと感じた。

有名な株の格言に「国策に売りなし」という言葉がある。これをまさに体感できたと思う。