1円も損したくないドケチサラリーマンの投資ブログ

初めての投資では銀行で投資信託を購入し、びっくりするほど大損。FIREなんて大きな目標はない。もう1円も損したくないのだ。

【完結編】無料保険相談窓口でキレてしまった話

 

 

 

まずは御礼から

前回のエントリーに対してコメントをくださった方々に多大なる感謝を申し上げます。

非常に鋭く本質をついたコメントをいただきました。ありがとうございました。

 

 


はじめに(前回のダイジェスト)

契約から15年経過した定期保険を見直そうと思い立ち、無料保険相談窓口を訪れたものの、外貨建て保険をしつこくセールスされ、キレてしまう。

しかし、ここで諦めることはできない。保険の見直しは必要だ。

さあ、どうする!?自らのスキルアップは必須だ!

今回は完結編です。

stingyinvestor.hatenablog.com

 

 


前回の反省

前回の話を振り返っての反省点は以下の3点。

  • 保険商品全般についてきちんと勉強をせずに、単に「見直しをしたい」という漠然とした理由で無料保険相談窓口を訪れたこと
  • 仮に私が「保険に入らなくても良い」状態だったとしても、保険を販売する立場からは決して真実は語られないこと
  • 平日の仕事帰りという超ストレスフルな状態で訪れたこと

 

 


まず取り組むべきは勉強すること

このまま別の無料保険相談窓口を訪れたとしても、同様の結果となる可能性が高い。

まずは市販の書籍を利用して、最低限の勉強をすることにした。

この分野は苦手だが、だからといって人任せにするとどうなるだろうか。現代のような知識社会においては、カモられるだけである。

 


まず読んだ本はこれ。

保険を見直して再加入しようとしているところ、逆説的ではあるが「保険に加入しない」という選択肢について真剣に考えてみた。結果から言うと本質を突いた、良質な書籍であった。


続いてこの本

各種保険商品についての仕組みが細かく解説されており、分かりやすかった。具体的な商品名の例示もあり、イメージしやすかった。


2冊読了してみて、読者に呼び掛けている本質的な事柄は以下の事だと感じた。

  • 保険は損しやすい商品。日本の社会保障制度は優秀。加入しないに越したことはない。
  • 「社会人は保険に加入しなければならない」という常識を疑え!
  • 加入するなら最低限の保障&最短の期間で。掛け捨て一択。
  • 貯蓄型保険は複雑な商品で損失となりやすい。運用は保険でなく自身で取り組むべき。


また、私の場合は具体的な商品名として以下の2商品が候補になりそうなことが分かった。

さらに、ネット上で提供されている保障額シミュレーター等を活用し、私の現在の資産状況からおおよその必要保障額も把握した。

 

 

再度、別な無料保険相談窓口に挑戦

ここまで分かってきたら丸腰ではない。再度、無料保険相談窓口を訪れてみることにした。

但し、今回はきちんとしたポリシーを決めておく。

  • 最初に必要最低限の掛け捨て保険に見直すことを強調する
  • 円建て/ドル建てに関わらず、貯蓄型の保険の話が出たら断る
  • 相手がしつこくてもキレないようにするため、仕事終わりではなく休日に訪問する

 

3社の無料保険相談窓口を訪れた結果

A社

案の定、預金残高の話から外貨建て保険の提案となったが丁重にお断り。
担当者は「外貨建て保険の話でなければすぐ終わりますけど?」と一気にトーンダウン。

君たち、どれだけ外貨建て保険を売りたいんだ・・・

 

その後、かなり強引に「就業不能保障は絶対につけたほうが良い」という話になり、3社の商品を提案された。

しかし今回の見直しテーマは、私の死亡リスクに対する保険の話だ。それが就業不能リスクにすり替わっているのは違和感を感じた。そもそも「ある保障を絶対につけた方がよい」と判断するのは私のはずだ。

 

この窓口でもう一つ気になったのが、必要以上に個人情報を入手しようとすること。自動車保険の話をする訳でもないのに、なぜベンツに乗っていることまで申告する必要があるのか?

いろいろと不信感が募り、こちらの窓口でこれ以上話を進めるのはやめることにした。

 


B社

簡易ヒアリング事項を確認後、以下の掛け捨て商品を提案された。

話としてはシンプル。これまでの窓口がひどすぎたので、割と好印象だ。

・FWD収入保障(FWD生命保険)
・家計にやさしい収入保障(T&Dフィナンシャル生命保険)
・じぶんと家族のお守り(SOMPOひまわり生命保険)

 

しかし、私の金融資産について一切質問せずに必要保障額と保険商品の見積が出されたのは違和感。

【必要保障額ー現金融資産=保険で備えるべき保障額】ではないのか。

それとも、相談者の多くは金融資産ゼロなのか。そんなはずはないだろう。

 

お金に関する大事な話をしているのに「適当で良い」という雰囲気をそこかしこに感じてしまった。たまたま、私とは相性が悪かったのかもしれない。

 

 

C社

詳細な家族情報など、かなり突っ込んだ情報を求められる。
それをもとに、それなりに詳細なライフプランシミュレーションを同時に実施してくれる。結果として、以下の掛け捨て商品が提案される。こちらもまあまあ好印象。

・FWD収入保障(FWD生命保険)

 

ちなみに、今回はキレてないですよ

・・・当たり前だよ(笑)

 

 

知識武装して行けばマトモな提案も出てくる

上記の結果、担当者との相性も踏まえて今回はC社にてFWD収入保障(FWD生命保険)に切り替えることにした。

実はこの商品は前述の2冊の書籍内でも触れられており、保険相談窓口を訪れる前から、きちんとした商品として認識できていた。

この保険会社の名前は初耳だったが、勉強しておいてよかったと思う。

このように、きちんと知識武装していけば、貯蓄型保険のセールスをかわすことができ、比較的まともな商品の提案も出てくるということが分かった。

但し、保険料の試算においては現在の金融資産をしっかりと把握し、必要保障額を算定することが重要。こちらから意志をもって主張しなければ、金融資産ゼロとして勝手に試算されるから要注意だ。売り手側からすれば必要保障額は高めに振っておいた方が販売後のトラブルは少ないのかもしれない。

 

 

C社での契約直前にまたしても例のトラップが!?

C社の保障額シミュレーションにはしっかりと私の現在の金融資産を加え、本当に必要最低限の保障とする。あれこれ特約を提案されるが、すべて不要とすると決めてきた。とにかくシンプルな契約になるように進める。

健康診断の情報を提供し、あとは正式に申し込むだけという段になった時のこと。

 

担当者:「前回、少しお話をさせていただいたかもしれませんが、話だけ聞いてください。」

私:「何の話ですか?」

 

担当者:「実はまとまったご資金をお預けいただくと、同時に大きな保障をつけられるというお話です。」「試算上は800万円にしています。為替が1ドル100円より円高に振れなければ元本割れはありません。こちらが提案書になります!」

私:「保険と貯蓄/運用は分けたいのでお断りします。掛け捨て保険で話を進めてください。」

 

担当者:「資産を増やすことができる上に、大きな保障まで付けられるのに、本当によろしいんですか?」

私:「為替リスクは大きいですよ。現にこの数か月の為替変動を見たら分かるでしょう。為替差損が生じる可能性は十分あり得ますよね?」

 

担当者:「はい。結果として損失となることもあり得ます。」

私:「そうですよね。私は投資の損失を人のせいにしたくありません。だから、投資についてはiDeCoなり米国株なりすべて自己責任で取り組んでいます。この話はもうやめましょう。せっかくシンプルな掛け捨て保険を提案してくださったのだから、こちらで話を進めてください。」

 

担当者:「かしこまりました。」

 

 

オイオイ!ここで外貨建て保険の話を始めるのかよ・・・。
100円より円高に振れるなんてあり得ないって口ぶりだけど、2011年頃の為替レートを知らんのか?

うわ~、キレちゃダメだよっ!

大丈夫。無料保険相談窓口の運営費用を誰が負担しているのか。もう分かってきたよね。

断っても断っても繰り返し展開される外貨建て保険のセールス。YouTube広告のようだね。

油断も隙もあったもんじゃない。5秒聞いたらスキップさせてほしいね!

 

 

2022年の為替レート

今年のレートだけ見れば1ドル100円より円高に振れることはなさそうに見えるが・・・!?

 

 

2002年~2022年の為替レート

この20年でみた場合どうか。2022年の今、ドルを買うタイミングとして本当に適しているだろうか。100円より円高になるシナリオは現実に起こり得る。目の前の高金利に騙されてはならない。相場観を養おう。




 

 

 

 

見直しの結果

見直し前はS社の定期保険に加入していた。
これをFWD生命の収入保障に見直すことで、月額の保険料ベースで約4,000円の削減効果

さらに、S社の定期保険は掛け捨てと思い込んでいたが、実は私が加入していた商品は、若い時にはリスクに対して割高な保険料を支払い、逆に自らが歳を取った時にはその分、割安な保険料にするという複雑な仕組みが採用されていた。

途中解約したことで、20万円弱の解約返戻金が発生。

 

但し、解約返戻金は定期預金の利息でもないし、株式投資の配当金でもないから、お得と考えてはいけない。本来支払う必要のなかったお金が単に戻ってきただけ。

だから、このお金をリスク資産に投じることはしない。定期預金の塊に組み込むか、住宅ローンの繰り上げ返済に使うことを検討中だ。

 

 

さいごに

長期間加入したままになっている保険はないだろうか。

 

保険商品は毎月の定期的な支出となっているから、これを適切な商品に見直すことによって、家計を改善できる可能性がある。

 

但し、何の知識も持たずに丸腰で無料保険相談窓口を訪れるのは危険である。彼らは客のリスクなど何も考えずにハイリスク商品を売りつけてくる。家計の改善どころか、安全資産の毀損につながる提案もあるから要注意だ。


それに対抗するには何が必要だろうか。

自ら勉強し、金融リテラシーを身につけた上で行動するということ。

 

保険商品は究極のところ「加入しない」という選択肢が資産形成上は一番良い。

自らの資産状況を総合的に判断し、最低限の保障になっているか自らの責任で判断する。まとまった金融資産が形成されたならば、保険を解約してしまうのも有効。

ただ、何も考えずに片っ端から保険を解約すればよいわけではない。例えば、どんなに金融資産があったとしても自動車の運転をするのに任意保険無しではまずいだろう。

 

「あなたのその保険、もう不要ですよ。」とは誰も教えてくれない。加入するよりも解約する判断が難しいのだと思う。情弱には解約できない。


成功報酬型で「無料保険解約相談窓口」なんて面白いかもしれない。でも、保険解約直後に事故にあう確率はゼロでないから、組織として保険解約を勧めるのは難しいのだろうな。保険解約は自ら判断するしかないだろう。

 

無料保険相談窓口でキレてしまった話から、自分なりに勉強し「保険を減らせる」という選択肢を学んだのは大きな収穫でした。

 

2回に分けるつもりはなかったのですが、結果として2つの記事に分かれてしまいました。無料相談窓口で実際に交わされるやり取りなど、読者の皆様にとって少しでも参考になれば幸いです。