はじめに
通常、株主優待制度は単位株(100株)保有の株主を対象としていることが多い。単位株保有の株主向けの優待制度は企業のIRとして正式に公開されている。
一方、端株(1株)保有であっても株主優待を行っている企業もある。しかしながら、端株(1株)保有の株主向けの優待制度は企業のIRに記載のないことはほとんどだ。
このことから「隠れ優待」と呼ばれることもある。実際に投資してみないと結果が分からないのが、この「隠れ優待」だ。
前回の記事をまとめてから6か月。
2022年9月末の権利確定日を経て、実際に隠れ優待をゲットできたのはどの銘柄だったのか。果たしてその内容は!?
実際に投資をして、2022年12月に受け取った封書の中身をすべて公開していく!
隠れ優待をゲットできた銘柄
三菱商事
【取得株価】
¥4,052/1株(2022/2/9)
【配当】
¥63/1株(2022/11/29)※税引後
【隠れ優待】
静嘉堂文庫美術館の招待券
【金額価値】
一般:1,500円×2名分=3,000円
2022年10月1日(土) 〜 12月18日(日)に開催された記念展「響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―」には天皇、皇后両陛下も鑑賞された。格式の高い美術館である。
【三菱商事の卓上カレンダーについて】
三菱商事では9月末時点の株主向けに卓上カレンダーを送付しているようだ。この優待は企業の公式IRには記載がないのだが、Twitter界隈を見ていればその実態は把握できる。
問題は、卓上カレンダー送付の対象者が単位株(100株)保有者以上なのか、端株(1株)保有者も含まれるのかということ。Twitter上でも不確かな情報が飛び交っている。
ここでハッキリ2022年12月優待の事実を書いておくが、1株保有では三菱商事の卓上カレンダーはもらえない。
三菱商事の卓上カレンダーが欲しい場合、単位株を保有するか、ネットオークションで落札することが必要だ。
期待していただけにちょっと残念。
単位株買えば?
50万弱の投資は私にとってはハードル高いです。
三菱重工
【取得株価】
¥3,298/1株(2022/2/9)
【配当】
¥48/1株(2022/12/1)※税引後
【隠れ優待】
三菱みなとみらい技術館の招待券
【金額価値】
(三菱みなとみらい技術館)一般:500円×3名分(招待券での最大入場人数)=1,500円
続いて三菱重工。
隠れ優待として、三菱みなとみらい技術館の招待券が入っていた。三菱みなとみらい技術館は子供から大人まで幅広い世代で楽しめます。
三菱総合研究所
【取得株価】
¥4,057/1株(2022/6/22)
【配当】
¥64/1株(2022/12/20)※税引後
【金額価値】
一般:900円×2名分=1,800円
6月に購入した三菱総合研究所は今回から新たに仲間入り。
隠れ優待として、東洋文庫ミュージアムの招待券が入っていた。東洋文庫ミュージアムはとても素敵な博物館です。
これとは別に、アンケートハガキを返送すると書籍を頂けるらしい。今から楽しみにしている。
凸版印刷
【取得株価】
¥2,220/1株(2022/2/9)
【配当】
¥18/1株(2022/12/1)※税引後
【隠れ優待】
印刷博物館の入館無料券
【金額価値】
一般:400円×5名分(招待券での最大入場人数)=2,000円
この券は1枚で最大5名まで入場可能。太っ腹である。
この優待券は有効期限がないので使いやすい。
丸紅
【取得株価】
¥1,454/1株(2022/3/23)
【配当】
¥32/1株(2022/11/29)※税引後
【隠れ優待】
丸紅ギャラリーの無料招待券
【金額価値】
一般:500円×2名分=1,000円
丸紅からは丸紅ギャラリーの招待券。
現在、2022年12月1日~2023年1月31日の会期で「ボッティチェリ特別展 美しきシモネッタ」が開催中。6月にいただいた招待券は両親にプレゼントしたところ、とても喜んでくれた。美術館の良いところは老若男女楽しめることである。
私はまだ行けていないのだが、会期中には行ってみたいと思っている。
日本テレビホールディングス
【取得株価】
¥1,282/1株(2022/2/9)
【配当】
¥9/1株(2022/11/29)※税引後
【隠れ優待】
hulu1か月間無料トライアル券
【金額価値】
1,026円(hulu1か月間分)
huluについて、一般的な無料トライアル期間は2週間であるが、株主は1か月間トライアルが可能。
過去には、美術館ペア入場券やTIPNESS無料体験チケットを提供していた時期もあったようだが、残念ながら現在は提供されていないようだ。
隠れ優待をゲットできなかった銘柄
フジ・ メディア・ ホールディングス
【取得株価】
¥1,361/1株(2022/2/9)
【配当】
¥16/1株(2022/12/5)※税引後
フジテレビ球体展望室の無料見学パスポートを狙ったのだが、残念ながら金銭的価値のある優待は入っていなかった。株価もダダ下がりで売るに売れない。
まとめ
結果として、7社のうち6社から隠れ優待を頂くことができた。これはなかなかの好成績と言えるのではないかと自己満足している。
全体を振り返ってみると、隠れ優待の内容は自社の博物館や美術館の無料入場券であり、これは広報的な要素も多分に含まれていると思う。とはいえ、普通に入場しようとすれば有料の施設であるし、自らの見識を広げる上でも非常に有意義ではないだろうか。
博物館や美術館の良いところは幅広い世代で楽しめること。どのチケットも最低2名は無料で入場できることから、夫婦・恋人・友人・両親など、誰を誘っても喜ばれると思う。
隠れ優待で博物館・美術館チケットをゲットして、ちょっと優雅な休日を過ごしてみてはいかがだろうか。
最後にあらためて記載しておくが、隠れ優待は企業のIRに記載のない、非公式の特典である。
従って、いつ廃止されてもおかしくないし、この記事は今回ご紹介した優待が今後も入手できることを保証するものではない。これらの点をご理解いただき、投資は自己責任で行っていただきたく、どうぞよろしくお願いします。