急激な円安傾向
最近、急激な円安となっている。もうすぐ1ドル130円を突破しそうな勢いだ。
為替変動のデメリットばかり強調するマスコミ報道には違和感
国内のマスコミ報道は、急激な為替変動があると、ネガティブな要素を煽るものが多い。例えば円安によって食品の価格が上がって暮らしぶりが厳しくなるだとか、ガソリンなどのエネルギー価格上昇による生活への影響を憂慮するものだ。
マスコミ報道というのは円高になっても円安になっても常に庶民の不安を煽る点で少々悪質さを感じざるを得ない。例えば、逆に急激な円高になった時にはどのような報道になるだろうか。
「輸出関連企業の業績悪化により、給与が上がらなくなる」とか「デフレから脱却できない」といった煽り方になるのではないか。
為替の影響をバランス良く捉える
円高・円安というのは一方的にメリット・デメリットが発生するのではなく、各企業・個人の立場によってとらえ方が大きく異なる。今回の円安だって、捉え方を変えれば違った見方ができる。
例えば企業であれば、トヨタ自動車に代表される輸出関連企業においては利益拡大要因となる。
個人レベルでも、輸出関連企業に勤めている社員の賞与が増加することによって、収入が増加する可能性がある。
そして、もう一つ個人レベルでのメリットが、ドル資産を保有している場合、為替の影響で円換算した際の資産評価額が増えるということだ。
ドル資産(米国株)の評価額上昇を実感
米国株への投資はドルで行うから、資産はドルで保有することになる。米国株投資を始めるまではなかなか実感がわかなかったのだが、今回急激な円安方向に振れたことで、実体験としてよくわかった。
上記の表は2022年4月24日現在の米国株の評価額を示している。
左側の時価評価額と円換算時評価額は前日の午前5:59の参考為替レート(128.57 円/ USD)で表示されている。これだけみても円安効果が良くわかる。
さらに、右側の評価損益額合計と円換算時評価額は各銘柄を売買した時点の為替レートを考慮して計算されている。従って、現在のように急激に円安が進むと、この部分の評価額がハイペースで増えていくことになる。
確定利益とするためには実際に米国株を売却して利益確定した後、ドル資産を円資産にする必要があるため、あくまでも目安として見るだけであるが・・・
私よりも、もっともっと多くのドル資産を保有している投資家にとっては、何もしなくても連日利益が拡大していることになる。円安というのはデメリットだけでなく、実はこういったメリットも同時に発生させているのである。
もちろん、急激な円高になればこの逆の流れが発生することは留意しておかなければならない。
円安という事実一つとっても、マスコミ報道に踊らされるのではなく、バランスよく物事を捉えられるようになった。
これも、米国株投資を行うメリットの一つではないかと感じている。