- 20年前の就職氷河期
- ボーナスの使い道
- なぜロレックスなのか。当時の考え。
- 2002年当時のロレックスの価格
- モデル選定
- ロレックスの良いところ
- ロレックスのメンテナンス
- オーバーホールをどこで実施するか
- さいごに ~投資対象ではなく、純粋に優れたプロダクトとして、若い人にも使ってほしい~
20年前の就職氷河期
変なタイトルだが、約20年前、2002年の話である。
当時は就職氷河期。私も就職活動には苦労したが、なんとか内定をもらうことができた。そして、2002年4月に入社。当時を振り返ると、就職活動が厳しかっただけでなく、入社後の待遇も良くなかった。
例えば、入社後すぐに「緊急対策」という名目で、一般従業員の残業手当の割増率が削減された。この緊急対策は1年ほど続いて解除されたが、新入社員も例外なくカットされたのはショックだった。その他、出張旅費手当の改定や、残業手当支給基準の改定など、これまで従業員に支払われていた様々な手当てが大幅にカットされていった。
これらは、緊急対策ではなく恒久的な制度変更だったから、それまでの手厚い制度を見てやるせない気持ちになったものだ。ちなみにその後、リーマンショックやコロナショックの時でも、ボーナスの増減はあれど、一般従業員の給与に手を付けるような対策は行われていない。
当時の状況がいかに異常だったかと改めて思う。
ボーナスの使い道
そんな中、入社1年目の日々はあっという間に過ぎていった。
ボーナスは、6月分については入社して2か月しかたっていないから寸志扱い。12月から本格的なボーナスとして支給された。手取りで30万円くらいだったと思う。
この30万円を何に使うか。
私は既に決めていた。ロレックスを買おう。と(笑)
なぜロレックスなのか。当時の考え。
当時、私はスウォッチをして会社に行っていた。
別にスウォッチでも全く困らなかったのだが、子どものころからロレックスというブランドへの憧れがあった。時計売り場で常に別格のオーラを放ち、数十万円という価格。
他の時計と何が異なるのか。一度手にしてみたい。そういった単純な思いがあった。
ちなみに、ボーナスを貯金しようとは一切考えなかった。若かったと思う。
2002年当時のロレックスの価格
2021年の現在のロレックスの価格をご存知の方は「30万円で新品のロレックスを買う」と言われたら笑ってしまうだろう。
定番のデイトジャストは一般的なモデルでも60~70万円程度。スポーツモデルはもはや正規店での購入が困難となっているが、100万円の予算でも足りないかもしれない。
さて、2002年当時のロレックスの価格はどうだったのか。実は今よりずっと安かった。
私は、渋谷にある「宝石広場」というお店で購入した。今となっては信じられないが、デイトジャストもスポーツモデルも40万円も出せばおつりがくるような価格設定だった。
株ではないけど「はぁ~、当時スポーツモデルを一通り買っておけばよかった」と切に感じる。
というわけで、新入社員の30万円のボーナスでもちょっと頑張ればロレックスが買えた時代だ。
モデル選定
当時のロレックスは、現在ほどスポーツモデルの印象が強くなかった。
キムタク主演のテレビドラマ「ラブジェネレーション」が流行したのが1997年。ドラマの中でキムタクが着けていた「エクスプローラーⅠ」というモデルが大流行したのが1999年頃。一時的に価格は暴騰したが、2002年ごろには下火になっていた。
今でも記憶しているのだが、2002年当時「エクスプローラーⅠ」は30万円でおつりがきた。現在の定価「687,500円」からは信じられないが、それくらい20年間でロレックスの価格は上昇したのである。
私はいろいろ調査した結果、定番のデイトジャストというモデルを購入した。但し、新入社員だからゴールドモデルは似つかわしくない。よって、ステンレスモデルを選定したのだが、少し華やかさが欲しいと思い、ステンレス&ホワイトゴールドのコンビモデルとした。
今でも現役で動いているが、ずっと気に入って使っている。むしろアラフォーとなった現在の方が似合うようになったかもしれない。
ロレックスの良いところ
さて、実際にロレックスを購入して20年間使ってみて、良いところを列挙してみたいと思う。購入を検討している方が参考になれば幸いだ。
機械式腕時計としてのクオリティの高さ
当たり前だが、腕時計の本質的な価値は正確な時間を表示することである。
この点、ロレックスは機械式時計でありながらかなり正確な精度を誇る。現在、私はロレックスの他、他に2つの機械式腕時計を保有しているが、いずれもロレックスほどの精度は出ない。
圧倒的なブランド力と資産価値の向上
ロレックスは国際的に認められた高級ブランドである。
しかも、機械式腕時計はメンテナンスさえしっかり行えばほぼ永久に使い続けることができるから、人気ブランドの機械式腕時計は保有しているだけで資産価値が上がっていくのだ。今、私が保有しているロレックスを売却すれば、買値以上の価格がつくことだろう。
最近では機械式腕時計のブランド全般で価格上昇傾向だが、その中でもロレックスの価格上昇率は突出しているといってよい。この辺りは、ロレックスのブランド戦略が上手だということだろう。
世の中、保有しているだけで資産価値が上がる可能性のあるものは限られている。機械式腕時計の他に何があるだろうか。
株式、不動産、貴金属、自動車(ヒストリックカーに限定)、といったところか。つまり、これらは投資対象になりうるということだ。最近では「腕時計投資家」なんて肩書で活動されている方もいらっしゃるくらい、投資対象のカテゴリの一つとして注目されている。
もっとも、2002年当時の私は資産価値上昇のことなど全く考えずに、ただただミーハーな気持ちで買ったのであるが。20年間保有してみて、結果としてこういうことが分かったということである。
話のネタになる
誰もが知っているブランドということもあり、話のネタになる。
特に男性の場合、スーツファッションでおしゃれをするとしてもこだわるポイントが限られている。そんな中、腕時計は数少ない個性をアピールできるプロダクトであり、一つのネタとして利用できる。
最近では飲み会も減ってはいるが、腕時計好きの人同士であれば時計ネタだけで一晩酒が飲めるのではないか(笑)
また、いわゆる夜の店では、おねーちゃん達が過剰に(?)褒めてくれるだろうから、そういうことで快感を覚える方にもおすすめである。
但し、上司や取引先によってはやっかみを買うこともあるかもしれないから、TPOに合わせてスウォッチ等と使い分けることをおすすめする。別にスウォッチじゃなくてもいいのだが、うまく世渡りした方が良いのは言うまでもない。
ロレックスのメンテナンス
ロレックスはいわゆる機械式腕時計だから、動力源は電池ではない。
内部のゼンマイによって作動しているから、内部の定期的なメンテナンス(オーバーホール)が必要だ。オーバーホールの頻度は諸説あるが、5年~10年に1度は実施した方がいいだろう。
オーバーホールをどこで実施するか
ネットで検索するとロレックスのオーバーホールを実施する業者を複数見つけることができる。私は上野御徒町にある個人の信頼できる業者に依頼している。
ロレックス正規のルートだとかなり高額になるし、かといって激安業者に出して時計を壊されても困る。この辺りは、適切な相場というものがあるので、ケチらずにお金をかけた方が良い。考え方としては別記事のメルセデスベンツの維持管理と似たようなところがある。
さいごに ~投資対象ではなく、純粋に優れたプロダクトとして、若い人にも使ってほしい~
ロレックスを保有してみるとその品質の高さには感心する。
「いいものを長く使う」という観点ですべての世代にオススメできる。若い方でも社会人になったらぜひ購入を検討してもらいたい。
といっても、最近のロレックスの価格は、一般的な企業の1年目のボーナスでは到底手がないレベルまで高騰してしまった。残念だ。
これについては、日本が貧困化しているという見方もできると思う。この20年で先進国で賃金が上昇していないのは日本だけだ。諸外国では上昇しているのだから、当然、ロレックスのようなグローバルプロダクトの価格は上昇したように見えるだろう。
但し、給与の上昇している海外の方からすると、ロレックスが100万円といってもそんなに高いとは思わない可能性がある。日本だけが世界の中で取り残されているように見えてならない。