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オンキヨー破産に見る個別銘柄選びの難しさ

 

オンキヨー破産

オンキヨーホームエンターテイメント(大阪府東大阪市)は13日、大阪地裁に自己破産を申請し、破産手続きの開始決定を受けたと発表した。
負債総額は約31億円。主力だったミニコンポやステレオセットなどのオーディオ機器ではなく、スマートフォンなどで音楽を視聴するスタイルの変化に対応しきれなかった。

www.nikkei.com

 

2022年5月13日の日経報道。

オーディオ機器老舗のオンキヨーが破産手続きを開始した。私は若いころ、同社のオーディオ機器を愛用していただけに、非常に残念なニュースである。


オンキヨー製ハイコンポの思い出

父がオーディオ好きだったこともあり、私が生まれた1970年代には自宅にかなり大きなオーディオセットがあった。

イオニアのアンプ。ビクターのスピーカー。そして大量のレコード。父はアルバイトして買ったそうだ。

当時は現在のように、スマートフォンで簡単に音楽を聴くことはできなかったから、自宅にお気に入りのメーカーのオーディオセットを揃えることがステータスだったといえる。同じような光景が見られた家庭も多かったのではないだろうか。

 

時は流れて1980年代。

オーディオ好きの父の影響を受けて、小学生となった私も「自分専用のオーディオ機器が欲しい」と言うようになった。そして、最初の自分専用のオーディオ機器として、ソニーのソナホークというCDラジカセを購入。当時はCDレンタルショップに通って、お気に入りのアーティストのCDをレンタルし、カセットテープに録音したものだ。

 

その後1990年代になってMDが誕生。

CDラジカセから発展し、さらに"いい音"で聴きたいということで、私は当時流行っていた「ハイコンポが欲しい」と言い出した。ハイコンポとはCDラジカセよりも高音質な上、コンパクトで高級感のあるオーディオ機器である。

但し、ハイコンポはCDラジカセより高額だ。
プリメインアンプ、CDプレーヤー、MDレコーダー、ラジオチューナー、スピーカーを一式揃えると平気で10万円を超えてしまう。

当然、親にお願いして買ってもらえるような金額ではなかったから、高校生の時に年賀状配達の郵便配達のアルバイトをして自ら資金調達を行った。自ら働いてお金を稼いだのはこれが初めての経験だったから、感慨深いものがあった。

そのアルバイトで稼いだ資金を全部使って購入したのがオンキヨー製ハイコンポだった。当時INTECというブランド名で販売されており、銀色の本体。木目調のスピーカーは高級感があった。そして自宅に設置後、その音質の良さに感動したものである。

ちなみに、一番最初に録音した曲は、globeの「DEPARTURES」である。

 

小室サウンド全盛期。この頃のオーディオ業界は輝いていた。

当時、秋葉原のオーディオショップ(表現が古いw)で購入した際も、多くの国内メーカーから選ぶことができた。
オンキョー、DENON、ビクター、パイオニア、ケンウッド、SANSUI、マランツラックスマン・・・
スマートフォンなどなく、今よりもずっと不便だったはずなのに、そこには夢があった。

 

この時に購入したハイコンポはその後、私の結婚、子育てというライフステージの変化によって、徐々に使わなくなっていき、いつの間にかMD再生機能は故障。

時代の流れでスマートフォンで音楽を聴けることが当たり前になり、結局、以降にハイコンポを新調することはなかったのである。

 

それでも、懐かしき良き思い出として、私の中ではオンキヨー製品に対しては格別の思い入れが残っている。

 

好きな企業・応援したい企業に投資すべきか

株式投資を始めようとする初心者に対して、よくこのようなアドバイスがある。
「好きな企業・応援したい企業に投資してみましょう」
これは本当に的を得たアドバイスなのだろうか。

 

私は2019年から個別銘柄への投資を開始している。

前述の特別な思い入れもあったから、当然、「オンキヨーホームエンターテイメント」への投資を検討したこともある。

2019年当時の株価は200円~300円程度。単位株を買えない金額ではなかったが、投資するとなると違和感があった。

オンキヨーホームエンターテイメントのチャート

 

まずは無配だったこと。
そして、私も含めて「オンキヨー製品を購入している人がどの程度いるのか」という漠然とした違和感。

オーディオ機器としての性能が良いのは分かる。

しかし、1990年代のようなオーディオ機器に対する社会的高揚感はもう無いし、今後も盛り上がりそうにない。

 

では、「コンシューマビジネスで儲けるのが難しいのならば法人向けではどうか」とも考えた。

若干話が飛躍するが、東京ディズニーランドに訪れたことがある方は多いと思う。パレートやダンスショー開催時の大音量、高音質を実現するスピーカー。あれは、アメリカのMeyer Sound社製の超高級スピーカーによって実現されている。1ユニット数千万円とも言われるこの世界。残念ながら国内メーカーで戦えるメーカーはなさそう。

 

個別銘柄選定において、私はチャート分析など細かいことは全く分からずに行っているが、直観として儲かっているのか。今後儲かる見込みがあるのか。この辺の自分なりの感覚は大切にしているつもりだ。

 

オンキョーは確かに思い入れのある企業だったのだが、2019年の段階で既に将来性があるとは思えなかった。

何が言いたいのかというと、私がオンキヨーの破産を予期していたとかではない。
「好きな企業・応援したい企業に投資してみましょう」というのは若干、無責任なアドバイスではないかということ。

 

一般に知名度が高く人気の企業となると、例えば航空各社(JALANA)があるのだが、投資先としては意外とハイリスクな業界だ。

JALは一度経営破綻しているし、ANAについてもここ最近は新型コロナの影響で無配が続いている。こんなハイリスクな業界より、総合商社あたりに投資しておいた方が無難なのだ。

 

また、「好きな企業・応援したい企業」となるとどうしてもコンシューマビジネスを手掛ける企業しか見えてこないが、実際にはコンシューマビジネスを展開している有名な企業はごくわずか。

一般には知られていないけれども超優良企業というのはたくさんあるのだ。「個人的に好き」の1点だけで投資先を決めるのは、ハイリスクとなる可能性があるので要注意である。

 

企業研究を進めると総合商社に行きつく場合は多い

では個別銘柄の選定はどのように考えるか。
無難なところでは時価総額ランキング上位50社くらいは見ても良いのではないかと思う。投資先としてまず間違いなさそうな顔ぶれだ。

www.nikkei.com

 

stingyinvestor.hatenablog.com

 

 

また、ある特定企業について投資してみようと思ったらその企業の株主構成を見てみると面白い。

 

例えば携帯電話の販売及び代理店業務で業界第一位の株式会社ティーガイア
この企業自体上場しているが、主要株主は住友商事である。

www.t-gaia.co.jp

 

コンビニ業界売上ランキング二位のローソン。主要株主は三菱商事だ。

www.lawson.co.jp

 

様々な国内銘柄があるが、その主要株主には総合商社が名を連ねていることは多い。だとしたら、総合商社自体に投資してしまった方がリスク分散にもなるのではないかという判断だ。

 

ウォーレン・バフェット氏が日本の総合商社にまとまった投資をして多額の含み益を得ているという報道がある。日本全体の優良事業に投資するならば非常に効率の良い手法で、「流石だな~」と感じている。

www.nikkei.com