コロナショックによる石油関連株の大暴落
2020年4月20日に、アメリカで生産されている原油であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)を貯蔵するスペースが少なくなっていることを背景に、WTIの原油価格がマイナスになった。
明らかな異常事態であった。
コロナショックにおいてはすべての銘柄で株価は値下がりしたが、その中でも石油関連株の値下がり幅は、世界的な石油の需要が激減を受け、大きかったと感じている。
私がコロナショック前から保有していた国内株式、米国株式はほとんどの銘柄で現在はコロナショック前か、それ以上に値を上げている。
まだ値を戻していないのは石油関連株だけだ。
アフターコロナにおける景気の急回復
だが、石油関連株がコロナショック前の水準に値を戻すのも時間の問題かもしれない。
世界的に新型コロナウィルス対策が進み、感染状況が落ち着いてきた。
人々が旅行や買い物を積極的に行うようになり、原油需要が急激に回復するとの期待から、WTI原油先物価格は、6月半ばに1バレル=70ドルの節目を突破、10月にはさらに80ドルも突破して、現在も値上がりしている。
この状況を受け、石油関連株は絶好調だ。
コロナショック前の購入単価 | コロナショックの底 | 2021/10/23現在 | |
---|---|---|---|
BP | 36.1ドル | 15.64ドル | 29.51ドル |
ロイヤル・ダッチ・シェル | 56.8550ドル | 23.96ドル | 48.89ドル |
原油需要はなくならない
昨今のトレンドとしてESG投資が話題となっており、原油関連株の中長期の成長性に疑問を持たれている方もいらっしゃるかもしれない。
しかし、私は原油関連株は手堅い銘柄だと評価している。
原油需要自体、ゼロにはならないということだ。
ガソリン自動車から電気自動車へのシフトがグローバルで進んでおり、特に中国では先行している。日本でもいずれは電気自動車が主流になるのだろう。しかし、すべての自動車がEV化したところで、その電気を作るのに原油が使われていたら、結局は原油需要はなくならないのだ。
その他、原油は我々の生活のありとあらゆるところに使われており、そう簡単に他のエネルギー源に置き換えられるものではない。
例えば、発電、航空機の燃料、暖房、プラスチック製品の製造等、人々が豊かな生活を追い求める限り、これらの需要はなくならない。
最近では、中国やインドなどで発電需要をまかなうための発電量が確保できず、一部の生産設備では操業停止に追い込まれているところもある。
このような状況で、クリーンエネルギーなどと綺麗ごとを言っていられるだろか。おそらく、石炭でも石油でもいいからとにかく発電量を確保するだろう。
SDGs、サステナブル社会。理念は素晴らしいし、考え方に同意はできる。しかし、地球には欧米のエリートだけが住んでいるのではない。発展途上国や、人口が急増しているような国で同じような考え方ができるだろうか。
限りない人間の「欲」を考えたとき、少なくとも原油需要は当面なくならないと感じている。
原油は枯渇する?
私が小学生の時(1990年代)にあと30年で原油は枯渇すると習った。当時は「なるほど。大人になるころにはクルマはEVになるのか」と思っていた。
実際に30年たってどうか。何も変わっていない。
当時の教師たちは本当に枯渇すると思っていたのだろうか。
実際には新たな油田の発見や採掘技術の開発により、需要にこたえるだけの産出量を確保できている。
というより、需要に対してOPECが供給量を調整しているから、本当のところ、あとどのくらいの埋蔵量があるのかは誰もわからないのではないか。
従って、子どもたちに対して、正確な根拠もなく「原油が枯渇する」などと脅すような教育をするのは好ましくないと考えている。
資本主義社会においては、需要と供給のバランスで価格が維持されているのだ。
ナンピン買いを敢行
コロナショック直後にナンピン買いできればよかったのだが、あいにく資金がなく、2021年の8月になってしまった。
しかもBPを1株(笑)
購入直後からチャートは上昇傾向にある。
こんなことならもっと買っておけばよかったと思うのは、株式投資あるあるだ。
原油関連株は高配当
現在はコロナショックの影響を受けて、減配されたままになっている銘柄もあるが、原油関連株は一般的な銘柄より高配当の傾向にある。
まとめ
原油株は一般的に景気敏感株と言われている。つまり、景気の良いときは高く、悪いときは安い。従って、アフターコロナを見据えたときに、原油株は買いだったということだ。
難しいのは、タイミングを見定めること。
皆さんも興味があれば投資してみてはいかがだろうか。