年末に向けて、ふるさと納税というキーワードが増えてくるだろう。
今回は以下のような方を対象として、ふるさと納税で失敗しないためのポイントをまとめてみる。
・ふるさと納税をまだやったことがない
・年末に向けて「ふるさと納税にチャレンジしてみよう」と考えているが、失敗したくない
・制度のことはよく分からないけど、職場でふるさと納税に関する話題が良く出る
- さいしょに
- ふるさと納税とは
- 失敗ポイント1:サラリーマンで年収400万円以上あるのにふるさと納税をやっていない
- 失敗ポイント2:制度を理解せずにいきなり寄付をして損をする
- 失敗ポイント3:意図せず自分の年収を同僚に発表してしまう
- 失敗ポイント4:詳しい人に丸投げして人間関係がギクシャクする
- 投資に例えるなら、成功が約束された究極の商品
- リスクレベル別投資商品
- 制度はどんどん簡単になっている。自分の力でチャレンジしてみよう!
さいしょに
コスパの良い返礼品の話は含まれていないから、その目的でたどり着いた方にはどうかご容赦いただきたい。
ふるさと納税とは
総務省が以下のサイトで丁寧に解説してくれているので、制度を知りたい方は参照されたい。
要は、本来地元の自治体に納税する税金の一部を、希望する地方自治体に納税することができる制度だ。
これだけだと何のメリットもないように見えるが、地元の自治体以外の地方自治体に納税した際、返礼品が貰える。
その分、普通に納税するだけでお得になる仕組みということだ。節税ではないのだが、税金を払うだけで魅力的な返礼品がもらえる仕組みとでも言っておこうか。
失敗ポイント1:サラリーマンで年収400万円以上あるのにふるさと納税をやっていない
実は世の中には申請するだけでお金がもらえる仕組みというのは結構多い。
直近で分かりやすい例では、コロナ対策で特別定額給付金が10万円支給された。
その他、子育て中の方であれば児童手当、住宅を購入した方は住宅ローン控除、生活に困窮した場合にセーフティーネットとして生活保護に頼るというのも該当すると思う。
いずれの場合も、黙って何もしないとお金はもらえない。
自分がその制度の対象者かどうかを自分で判断し、必要な事務手続きを済ませることができた人のみ、その制度の恩恵を受けることができるのだ。
ふるさと納税はまさにこの性質をもった仕組みと言える。
年収400万円以上のサラリーマンであればほぼすべての人が一定の利益を享受することができるだろう。
ある意味、何もしないことで既に失敗しているとも言える。
ちなみに「制度に共感できない」という理由で、あえてふるさと納税をしない人を非難するつもりは全くない。そのような方は通常通り、自分の住む自治体に税金を納める形になるから何ら問題はない。むしろ、地元の自治体としてはふるさと納税をしない人が多い方がありがたいのだ。
私個人としても、現状のように民間のポータルサイトが乱立し、WEBショッピングさながらの返礼品合戦を繰り広げていることや、彼らがかなりのバックマージンを得ている実態について、問題意識は持っている。しかしながら、得られるメリットがあまりに大きいので、参戦している。
将来的に制度変更になる可能性は大いにあると思う。
失敗ポイント2:制度を理解せずにいきなり寄付をして損をする
ふるさと納税を始めてみようと思ったとき、次に起こす行動はいきなりどこかのポータルサイトに行って返礼品を選ぶということではない。
まずは制度をしっかり理解することが大事だ。
なぜこんなことを書いているかというと、限度額を考えずにたくさん寄付してしまう人や、寄付だけしてその後の手続きを何もしない人が実は結構いるのだ。
寄付して返礼品をゲットしただけで満足してしまう人。税金を戻す手続きをしていないから、本人にとっては何の意味もない。
でも、近くに詳しい人でもいなければ、それを指摘してくれる人はいない。ふるさと納税の手続きをきちんと行うのは自己責任なのだ。
だから、寄付した後にどのような手続きが必要なのか、しっかり勉強してから行うべきだ。
- 限度額の確認
- 税金を戻すための手続き(ワンストップ OR 確定申告)
返礼品を選ぶ前に、上記の内容だけは最低限押さえておくことを強く推奨する。
失敗ポイント3:意図せず自分の年収を同僚に発表してしまう
賢い人は誰とでもふるさと納税の話をしない。
ふるさと納税をやっている人はふつう、自分の所得金額をもとに、実質負担2,000円でできる寄付金額上限を調べてから寄付する自治体を探すだろう。
「ふるさと納税をしているかしていないか」くらいの軽い話なら良いが、「どこの自治体にいくら寄付した」とか、「去年はどのくらい寄付した」といった突っ込んだ話になってくると、だんだんと相手の年収が分かってしまう。
例えば、
「去年はふるさと納税で10万円寄付したよ!」という発言は
「私は少なくとも年収700万円以上です!」とほぼ同義だ。
一般的に自分の年収が相手にわかってしまうのは、好ましくないことの方が多い。
特に若くして多くの所得を得ていたり、年上の相手より多くの所得を得ている場合では、無用なトラブルのもとになりかねない。日本では年功序列の横並び意識が強いから要注意だ。
だから、ふるさと納税についてもし突っ込んだ話をしたいのであれば、相手が同じくらいの年収か、明らかに多い年収だと分かっている場合が良い。
例えば会社内であれば、管理職同志といった形で話をした方がいい。そこに、アルバイト社員が入ったとしても会話がかみ合わないどころか、相手に不快な思いをさせてしまうかもしれないのだ。
これから年末にかけてふるさと納税サイトのCMが増えるが、東京03が出演しているCMは、やるのかやらないのかを問うもので「ちょうどいい会話だな~」と思って見ている。
円滑な人間関係を構築したいなら、ふるさと納税の話はほどほどにしておくべきだ。
失敗ポイント4:詳しい人に丸投げして人間関係がギクシャクする
例えば、親せきや会社の同僚にふるさと納税に詳しい人がいるとする。「その人に聞きながらふるさと納税をやろう」あるいは「自分は返礼品を選ぶだけで手続きは任せてしまおう」というスタンスは好ましくない。
というのも、ふるさと納税を検討する上では必ず自分の所得や家族構成を明らかにするする必要があり、赤の他人にオープンにすべきでない内容が多分に含まれているからだ。
また、制度自体どんどん改訂されていくから、人任せにしているとその人の知識レベルに依存することになる。詳しい人というのは天性の専門家ではなく、実は地道に調査を行っているだけなのだ。
ふるさと納税はその人のコアな情報を扱うことになるから、自分ひとりの力で完結させた方がいい。家族以外にこの手続きを丸投げするくらいなら、ふるさと納税自体やらない方がいいと思う。
どうしても人に任せたいというのであれば、業務委託契約を締結した上でふるさと納税を代行してくれる業者に報酬を支払って任せた方がビジネスライクで良いのではないか。
投資に例えるなら、成功が約束された究極の商品
もしふるさと納税を投資商品と捉えるのであれば、手続きさえ間違わなければ、ノーリスクで返礼品の価値分、確実に儲かる商品といえる。
一般的にほぼノーリスクの投資商品は円定期預金や個人向け国債くらいしかない。
ふるさと納税をやるのかやらないのかは個人の自由だが、私のようなドケチで「ちょっとでもいいからお金が欲しい」「お金を増やしたい」という気持ちがあるのなら、ふるさと納税をやらないというのはあり得ない選択だ。
リスクレベル別投資商品
投資には当然リスクがつきまとう。
一般論としてハイリスクハイリターン、ローリスクローリターンの法則が当てはまるのではないか。ローリスクハイリターンが実現可能な投資商品があれば、誰もが群がるだろう。世の中それほど甘くないのだ。
ふるさと納税は投資ではないので若干の違和感はあるが、リスクレベル順に投資商品を並べてみると上記のようになる。
「お金増やしたいな~」と漠然と考えているなら、左から順番に取り組んだ方がいい。マネーリテラシーに疎い人ほど、なぜか右側の超ハイリスクゾーンから入る人がいる。そこが詐欺師の腕の見せ所だったりするのだが。
そこまでいかなくても、ふるさと納税もiDeCoもやらずに、個別株投資に入る方は結構多い。すべてを理解した上で個別株投資が趣味だというのなら何ら問題はないのだが、もし、細かい制度を知らずにそのような動きになっているのなら、一度自らの投資方針を見直した方がいいと思う。
結局、こういうことがマネーリテラシーということでもあるのだ。
こういうのを学校の授業でやりたいな~
制度はどんどん簡単になっている。自分の力でチャレンジしてみよう!
自分で手続きを勉強すると言ってもそれほど難しい話ではない。
ふるさと納税を行う自治体数が5団体以内であればワンストップ特例制度を利用できるし、それを超えた場合の確定申告もどんどん簡単になっている。
マイナンバーカードさえあれば、いまやスマホだけで確定申告ができるのだ。
ふるさと納税をまだやったことがないという方は、ぜひチャレンジしてみてほしい。
私は去年、スマホのみで確定申告を済ませました!