1円も損したくないドケチサラリーマンの投資ブログ

初めての投資では銀行で投資信託を購入し、びっくりするほど大損。FIREなんて大きな目標はない。もう1円も損したくないのだ。

初めての投資は大失敗

銀行で投資信託を購入するまで

2007年頃。私が20代後半だった頃、初めて投資した際の失敗談である。

社会人となってから5年以上経ち、預金は500万円程度貯まっていた。
この資金は主として定期預金メインで運用していた。
それ以外の運用方法を全く知らなかったからである。

当時は現在よりもずっと金利が高く、ソニー銀行のキャンペーンでは、なんと1%を超えていた時もあったのだ。
このサイトに過去の金利推移がまとまっているので、信じられないという方はぜひ見てもらいたい。

ソニー銀行/ソニーバンク 円 定期預金 金利推移表 2021/09/27

そんな時、付き合いのあった地方銀行投資信託の勧誘を受けることになった。
それまでの人生で銀行窓口での用事と言ったら、口座作成、振込、引出くらいのものだったため、応接エリアでの丁寧な説明に、銀行側から特別なアプローチを受けた感じがして舞い上がってしまった。

説明のポイントとしては以下のような商品であった。

  • 定期預金よりもお得な商品がある
  • リスクはあるが満期まで保有するだけで5%程度の金利
  • リスクというのは日経平均株価があらかじめ定めた価格を下回らないこと

いわゆる仕組債(ノックイン投信)というものだ。
多くの書籍やインターネットのサイトでも買ってはいけない商品として説明がある。
買ってはいけない理由は概ね以下の通り。

  • 素人には理解が非常に難しい商品
  • 株価上昇局面でも一定の利益しか約束されない
  • 株価暴落の可能性は常にあり、ハイリスクである
  • 流動性が極端に低い(解約のハードルが非常に高い)

ただ、皆さん気を付けていただきたいのは銀行側から上記のようなリスクに関する説明はあまりないことである。満期まで持てば高金利が約束されるとか、定期預金みたいなものという形でリスクを非常にあいまいに説明されてしまう。
銀行の名誉のために記載しておくと、絶対に儲かるとかそういう表現ではなかった。定期預金ではないので元本保証はないし、リスクがあるという話はしていた。

結果として私はその銀行に特定口座を作成し、その投資信託を30万円分購入した。今振り返れば特定口座の意味も理解していなかったし、手数料についても考えていなかった。
(恥ずかしながら、30万円が全額投資信託の購入に使われたと思っていた)

リーマンショック!そして償還へ・・・

そんな形で、私はその投資信託保有することになった。
定期預金の頃とは違い、なんとなく投資家になった気分がして誇らしかった。購入してしばらくは日経平均株価を見ていたが、それほど値動きがあるものでもなく、「あらかじめ定めた価格」を下回る気配もないため、すっかり安心しきっていた。

しかし、そんな状況を一気に破壊する事態が発生した。
リーマンショックだ。
16,000円程度で推移していた日経平均株価は大暴落し、一時7,000円を割り込むのである。当然、私が保有していた投資信託の「あらかじめ定めた価格」を下回っていた。

それからというもの、私は怖くて日経平均株価を見ることをやめた。
加えて、自分が保有している投資信託がどうなるのかも考えることをやめた。思考放棄だ。
今考えれば、銀行に問い合わせれば償還条件を教えてくれたと思うのだが、「損をすることが確定した」という事実を受け入れたくなかったのだと思う。

そして迎えた償還日。銀行から償還価格に関して手紙が届く。
30万円分の投資信託は15万円程度になって戻ってきた。無念・・・
しかし、この段階になっても私は「なぜ30万円が15万円になってしまったのか」を理解できなかった。
自分が何に投資したのかもわからない。定期預金みたいなものと安心していたのに、結果を見れば約半分になってしまい大損。悔しかった。

この時の私は「これだけの損がでたのだ。銀行から説明があるのでは?」とかバカなことを考えていた。
しかしながら、当然そんなことはない。投資は自己責任だ。
そして銀行からも特に連絡がないまま時は流れ、当時の私は投資についてこう結論付けたのである。

  • もう二度と投資はやらない
  • これ以上1円も損したくない
  • 今後は定期預金一本だ!

これが私の初めての投資の大失敗談だ。

反省ポイント

さて、冷静になって当時を振り返ってみると、この失敗エピソードの反省ポイントは以下のように感じている。

  • 銀行側からアプローチされて舞い上がってしまった
    (自分は特別だと勘違い)
  • リスクを過小評価してしまった
    (自分だけは損することはないだろうと思いこみ)
  • リスクについて自ら勉強する努力を怠った
    (銀行が提案するのだから安心だろう)
  • 内容が理解できない商品を購入してしまった
    (分からない=恥ずかしいではない)

報道によると昨年のコロナショックでもノックイン投信によって大きく損をした方が大勢いるという。
私が失敗して10年以上経っているのに、相変わらず危険な商品が販売されているし、それを購入してしまう方がいる。結果として私と同じように損をしてしまっている。悔しい。投資について正しい情報を持ち合わせていればこういった商品による被害は防げるはずなのに。

どうかこれ以上、私と同じようにノックイン投信で損をしてしまう方が増えませんように。
願いを込めつつ、私のブログの一番最初にこの失敗談を投稿させていただいた。