ビックカメラの株主総会は11月開催
2022年11月17日、株式会社ビックカメラの定時株主総会に出席した。
昨年は人生で初めての株主総会だったため、株主総会の流れが分からず少し緊張した覚えがある。その後、2022年6月の総会シーズンにはENEOSホールディングス、MUFGの株主総会にも出席して、おおよそ株主総会の雰囲気には慣れてきたところだ。
私が株式投資をしているのは配当金を頂くのが主な目的だが、もう一つの目的として、株主総会への出席も楽しみにしている。しかし総会集中シーズンの6月は、保有するすべての企業の株主総会に出席することは難しい。その点、ビックカメラの11月開催は他企業の株主総会と重複することもなく、出席しやすい時期だ。
会場は板橋区立文化会館
会場は毎年恒例の板橋区の板橋区立文化会館である。なぜここなのか?というくらい不便な場所だが、1年に一度来るのも良いだろう。
株主総会の開始は10時からだ。9時半頃に到着して早めに会場入りする。
板橋区立文化会館に入るとたくさんのスタッフが待機しており、「おはようございます!」とものすごく丁寧な対応だ。
受付に書類を提示し、会場ホールに移動。キャパはとても広い会場だが、新型コロナウィルス対策のために着席できる座席は大幅に制限され、ゆったりとした座席配置だ。
昨年は30分以上前に来る人はほとんどおらず、ほぼスタッフばかりだったが、今年は明らかに参加者が増えた。社会全体でウィズコロナへの移行が徐々に進んでいることを感じる。
いつまでコロナ対策で出席を控えさせるのか?
招集通知には相変わらず、「新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、会場へのご出席を控えていただき、インターネットまたは書面で議決権をご行使いただくようお願い申し上げます。」と記載がある。
ビックカメラに限らず、この定型文句は一体いつまで続けるつもりなのだろうか。
株主として総会に出席し、会社の経営状況を確認して議決権を行使する。これは法律上きわめて重要な事柄である。大企業になればなるほど形式的な儀式にはなっているが、株主に対して「出席を控えろ」とはいかがなものか。
2020年のコロナ拡大期なら緊急事態として理解できなくもなかった。しかし、既に世界各国はウィズコロナに舵を切った。日本国内でも学校の授業は通常通り。スポーツイベントも開催されるようになり、11月に入り、外国人観光客も戻ってきた。
積極的な出席を求めなくても良いけれど、株主に対してコロナ対策を理由に参加を控えさせるのはそろそろ終わりにしても良いのではないかと思う。
おみやげはない
「おみやげ(クーポン券、 カレンダー、飲料等を含む)の配布は一切ございません。」
これも最近の招集通知の決まり文句。こう書いておきながらお茶や粗品を配布する企業もあるが、ビックカメラは本当に一切無し。別にこれを期待して参加していないから問題なしだ。
事業報告は丁寧でスムーズ
議事進行は社長が行う。これは会社の定款に定められているからだ。
といっても細かな事業報告はすべて招集通知に記載されている。ビックカメラの場合、それらを丁寧に動画にまとめていた。この動画もプロのナレーターを入れたもので、かなりレベルの高いものだ。
株主総会で提供される資料や動画はその会社の最上級の労力がかけられていると思ってよい。万が一不手際が発生して議事進行が滞ることがあれば、企業経営に直接影響してしまうからだ。
ちなみに、2022年度は中間、期末合わせて1株当たり15円の配当となった。増配無しは少し残念。しかし、これとは別に商品券もゲットできるからお得な銘柄と評価している。
質疑応答
社長からの事業報告が終わると株主からの質疑応答の時間となる。
ビックカメラは一般消費者を相手にする小売業ということもあり、消費者目線での質問も見受けられた。以下、印象に残った質疑応答を抜粋する。
・売上に対して利益が少ない。もっとコストを下げるべき。
・株価は1,000円程度でほぼ横ばい。株価を上げる経営努力をしてほしい。
・報道によると池袋の西武はヨドバシカメラになるようだ。ビックカメラのお客様が減るのでは?
・既に中古品を取り扱っているソフマップがあるにも関わらず、じゃんぱらを買収した理由は?
・子会社の日本BS放送は株主優待廃止を決定した。ビックカメラとして今後の株主優待の方向性を教えてほしい。
⇒ビックカメラの株主優待券は非常に多く利用いただいている。現時点で株主優待の廃止は考えていない。
こう言っておいて優待廃止する企業、最近多いよね。
頼むから継続してくれ~
・この総会で木村前社長は取締役退任となる。秋保氏を新社長に選んだ理由と人物紹介を木村取締役からお願いしたい。
⇒木村氏からは、若い秋保氏を社長に選んだ理由。そして、2020年というコロナ対策が最も大変な時期にビックカメラの社長に就任し、都心部の店舗売上不振に苦労したこと。そして、その時にはご自身が社長を務めたこともある、地方のコジマがビックカメラグループ全体を支えたこと等が総括的に語られた。非常に丁寧に、柔らかく語られたこともあり、多くの株主の心に響いたのではないか。自然と拍手が沸き起こった。
振り返って
翌日の2022年11月18日には定時株主総会決議通知が郵送で届き、100株分の配当金として1,000円が振り込まれた。
また、この封書には株主優待券も同封されている。私の場合、2年以上保有しているので、所有株式数分の1,000円券+長期保有株主優待1,000円券を2枚。合計3,000円分の株主優待券を頂くことができた。
配当金が1,000円、株主優待券が3,000円分だから、4,000円相当の配当を頂いた気分。
株主総会に出席しなくても、もちろん上記配当を頂くことはできる。あえて株主総会に出席する意味は何だろう。
やはり、経営陣からの事業報告や質疑応答など「生の声」を聞けることだろうか。事業に対する思いやビジョン。質疑応答にどのようなスタンスで回答しているのか。
新社長の秋保氏はまだ若い。その若さを武器に、ビックカメラグループをさらに発展させていってほしい。